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第2回 JEES教育セミナー

詳細情報

イベントタイトル第2回 JEES教育セミナー
日程2014年2月1日 (土)
テーマ・内容「国語」の授業力を育てる実践講座
場所株式会社 教育同人社 多目的スペース
開催レポート  2014年2月1日「国語」の授業力を育てる実践講座が開催されました。

 冒頭、NPO法人「全国初等教育研究会」柳瀬修理事長による挨拶があり、「日本、読解力と数的思考力で1位」という新聞記事の内容から、OECDの国際成人力調査(PIAAC)の結果に関する考察が述べられました。社会背景と世代による能力差の関係に触れられ、日本の教育水準を高く保つための課題にも話が及んでいました。

 青木伸生先生による模擬授業では、フレームリーディングという新しい手法での説明文の読み取りの授業が紹介されました。現在求められている、短時間で正確に文章を読み取る能力を獲得するためには、従来の段落・場面ごとの詳細な読み取りから、文章全体の枠組みをとらえる丸ごとの読み取りへの転換が必要であるという内容に、先生方も共感されていました。具体的には、文章の中のキーワードの数を「数える」、その中で最も重要な部分を「選ぶ」、など、自然に何度も文章を読み返してしまうように仕組む発問の切り口を工夫することで、読み取りの授業を変えられるということです。すぐに実践できる方法を模擬授業で体感された先生方からは、大変納得した様子が伺えました。また、全ての授業を一新させるわけではなく、詳細な読み取りとフレームリーディングの比率を各学年の発達段階に応じて変えていくという提案も、先生方にとってより取り組みやすいものであると思いました。

 大越和孝先生による音読の実技演習では、先生方が小グループに分かれて、楽しいワークショップが展開されました。斉読、各自読み、リレー読み、指名読み、役割読み、分担読み、追いかけ読み、など、音読の種類とその効果が解説され、それぞれの音読法を先生方が実際に声を出して演習しました。中でも、詩の群読の演習では、グループでプランを作成して練習後、発表するという形式となり、さながら音読発表会の様相を呈して大いに盛り上がりました。各グループによる独創的でユニークな発表が続き、気付くと会場内は熱気と拍手に包まれていました。児童に行わせることを先生自身が体験することにより、実践の際のポイントや注意事項を再確認できたのではないかと思います。大越先生が最後に言われた「教室に子供たちの朗々とした声が響くようにがんばりましょう。」という呼びかけも印象に残りました。

 何よりも、先生方が子供のように生き生きと話し合っている表情が印象的でした。この雰囲気がそのまま実際の授業に広がってほしいと思える活気あるセミナーであったと思います。次回以降も先生方に興味をもって参加していただけるセミナーを提案していきたいと思います。



■ご挨拶
NPO法人全国初等教育研究会  理事長 柳瀬 修

■模擬授業と解説
(1)模擬授業 - 説明文の読み取り -
「生き物は円柱形」(5年光村図書より)
(2)解説
筑波大学附属小学校教諭  青木 伸生先生

■休憩

■講義と実技演習
音読・朗読の指導法
東京家政大学教授  大越 和孝先生
主催【主催】JEES
【協力】株式会社 教育同人社

会場の様子




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