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第3回 JEES教育シンポジウム

詳細情報

イベントタイトル第3回 JEES教育シンポジウム
日程2015年6月14日 (日) 13:00~15:30
テーマ・内容教師力をつけよう,若手教師たち!
~いじめを生まない学級づくり~
場所ホテル椿山荘東京 プラザ5F オリオン
定員150名(無料)
内容 開会の挨拶 柳瀬 修理事長 (NPO法人全国初等教育研究会)

【特別講演】
 テーマ「いじめを生まない学級づくり ~テレビ制作現場から~」
 ゲスト 角 学氏 (NHK制作局 第1制作センター 青少年・教育番組部 チーフプロデューサー)
     成松弘明氏 (NHK制作局 第1制作センター 青少年・教育番組部 ディレクター)
 聞き手 藤川大祐 (当法人 理事・千葉大学教育学部 教授・副学部長)

【パネルディスカッション】
 「学級づくりを授業づくりにつなぐには」
 ゲスト 福田純子校長 (練馬区立光が丘春の風小学校)
     盛山隆雄先生 (筑波大学附属小学校)
     吉川奈々先生 (前橋市立細井小学校)
 進 行 堀田龍也 (当法人 理事・東北大学大学院 教授)

閉会の辞 森 達也副理事長 (株式会社教育同人社代表取締役社長)

【シンポジウム終了後】
 JEES会員交流会 (軽食つき)
主催【主催】JEES
【後援】東京都豊島区教育委員会
【協力】株式会社教育同人社

開催レポート

  2015年6月14日,「教師力をつけよう,若手教師たち!~いじめを生まない学級づくり~」と題したシンポジウム、第3回JEES教育シンポジウムが今年も東京ホテル椿山荘東京にて開催されました。

 冒頭,NPO法人「全国初等教育研究会」柳瀬修理事長による挨拶では,「子どもを被害者にも加害者にも傍観者にもしない」として,「いじめ」の定義やパターンが示され,現場の教師に聞いた「いじめ」の事例が紹介されました。その中で,授業の中にも「いじめ」の芽が潜んでいる場合があること,クラス全員が授業に熱中する雰囲気づくりが結果的にその芽を摘むことになること,などが述べられました。

 第一部では,ゲストにNHK制作局第一制作センター「いじめをノックアウト」チーフプロデューサーの角 学氏,同ディレクターの成松 弘明氏を迎え,当NPO法人の藤川 大祐理事を聞き手として,「いじめを生まない学級づくり ~テレビ制作現場から~」という特別講演が行われました。
 初めに,実際の「いじめをノックアウト」の番組視聴があり,次いで,番組のコンセプトや制作現場の様子など,番組制作の舞台裏が紹介されました。その中では,「正解があり共通性があるものをつくるのではなく,いじめについて考えるきかっけとなるものをつくること。」「いじめについて誰もが話し合える空気をつくることが大切。」というように,制作意図が問題提起の視点に貫かれている印象を受けました。また,実際に学校現場に張り付き,取材を通して実態を体現したことによるリアルな視点が,多くの視聴者の心をとらえているそうです。AKB48の高橋みなみさんを番組に起用したことについては,「自分の経験を生かしたうえで正論を言ってくれる。」「教師からは言えないことを語ってくれる。」など,等身大の言葉に力があったことが理由だとおっしゃっていました。参加の先生方も起用の理由に納得していたようでした。
 次いで,高橋みなみさん本人から,本シンポジウムに参加の先生方への応援メッセージVTRが流れ,会場からどよめきが起こりました。著名人から直々の励ましの言葉を聞き,先生方もいじめ問題に対する意識を新たにされたようです。

 第二部では「学級づくりを授業づくりにつなぐには」として,ゲストに 練馬区立光が丘春の風小学校校長 福田純子先生,筑波大学附属小学校教諭 盛山隆雄先生,前橋市立細井小学校教諭 吉川奈々先生の三名を迎え,当NPO法人の堀田龍也理事を進行役にパネルディスカッションが行われました。
 まず,初任三年目を迎える若手教師代表の吉川先生から,現場での悩みや日々心がけていることなどの発表がありました。今まさに体験している具体的な内容に,会場にいらっしゃる多くの若手の先生方が共感しておられたようです。
 次に,福田先生が管理職としてのお立場から,若い先生方へエールを送られました。その中では,「相談相手をみつけよう」「思い込みから離れよう」「学級づくりと授業づくりについて」など,若手を見ているベテランならではのアドバイスを示され,吉川先生をはじめ参加の先生方も熱心に聞き入っていらっしゃいました。
 次いで,盛山先生が,授業で学級をつくっていくための,自らの具体的な実践を紹介されました。中でも,日々問題が生まれることを当然ととらえ,失敗をうまく使っていくことが大切だというご意見は,多くの若手の先生方を勇気づける言葉であったようです。吉川先生も「失敗を恐れてびくびくしてきたが,もっと怖がらなくていいと思えた。」とおっしゃっていました。それを受けて福田先生が,「あきらめないこと。独りで暗いトンネルを通っていると思わず,周りに目を向ければ必ず相談できる先輩や指導者がいるはず。」と,さらに元気づけておられました。
 そして,このやり取りに対し堀田理事は,「つながることが大事。実は周りに助けてくれる人がいっぱいいる。若手の先生方にそう思ってほしい。」と,JEESの活動根拠がそこにある点を強調されていました。参加の若い先生方にも,このエールがきっと届いたのではないでしょうか。

 その後、別室で行われたJEES賛助会員限定の交流会では,70名以上の参加者を迎え大変盛り上がりました。登壇者を囲んで話に花が咲き,シンポジウム本会に勝るとも劣らぬ盛況ぶりでした。

 今回は,「いじめ」というデリケートな問題にも触れましたが,他にも若手の先生方を悩ます問題はたくさんあると思います。今後もさまざまな先生方にエールを送れるような講座・シンポジウムを開催していきたいと思います。




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