[JEES] 特定非営利活動法人 全国初等教育研究会

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第14回 JEES教育セミナー in 姫路
新学習指導要領 全面実施まであとわずか!
~若手教師の悩みを解決する授業・学級づくりセミナー~を開催しました

NPO法人全国初等教育研究会(JEES)は、第14回JEES教育セミナー in 姫路 新学習指導要領 全面実施まであとわずか!~若手教師の悩みを解決する授業・学級づくりセミナー~を、2019年9月28日に開催いたしました。

今回は、JEESの理念でもある『若手教師の悩みを解決する』ことを特に掲げて、JEESの新保元康フェローにコーディネーターを、3名の現場の先生方からは模擬授業や実践報告をしていただきました。

若手の先生方が参加しやすいように、グループごとで話し合い、相談し合う時間も多めに用意したことで、とても和やかなセミナーとなりました。

■最初は悩みの共有

グループごとに、今の悩みや困っていることなどを共有しました。そこで、特別な授業ではなく、日々の日常的な授業についての悩みが多いことがわかりました。

■模擬授業 望月覚子先生(愛知県春日井市立出川小学校)

小学校4年算数、「2けたでわるわり算のひっ算」の模擬授業を子どもになったつもりで受けた後、模擬授業の中で使った授業技術についての解説をしていただきました。

模擬授業の中ではさまざまな授業技術が使われていましたが、その中でも特に以下のことについて解説していただきました。

  • フラッシュ型教材を使う
  • 実物投影機でMAX拡大をする
  • 映した映像を指し棒で指す
  • 実物投影機で見せる時は、必要のないところを隠す
  • 隣同士で確認させる
  • 問題番号を指で指す
  • 問題を言わせる
  • ノートを実物投影機で見せながら、一緒にかく
  • 線を引くときは、定規を使う
  • 次の問題番号もかく

それぞれの授業技術を使った意図や意味をお聞きすることで、改めて授業の中での効果を確認することができました。

■実践発表(国語) 入江 賢一先生(兵庫県太子町立石海小学校)

校内で実践されている「本時の目標を達成させるための手立て」を最初に考えて授業を展開していく実践を、失敗談も交えて詳しくお話しいただきました。

失敗というのは、目標を達成するための手立てである学習活動だけを意識してしまい、「何ができるようになるか、何がわかるか」ではなく「何をさせるか」を中心に考えてしまっていたことでした。この失敗から、「目指す子どもの姿」を明確にすることが必要だと気がつき、校内で『目指す子どもに向けたつまずきをイメージし、そのつまずきの解消に向けた具体的な手立てを考える』ことを共有したという試行錯誤の経緯を聞かせていただきました。これには、兵庫県教育委員会が発行している『ひょうごつまずきポイント指導事例集』が役立ったそうです。(『ひょうごつまずきポイント指導事例集』はこちらからご覧いただけます→http://www.hyogo-c.ed.jp/~gimu-bo2/tmzk/index.html

目指す子どもの姿を具体的にイメージして授業づくりをすることで、子どもの視点に立って「目標(めあて)」を設定することができ、同時に「授業で何をするのか」ではなく「何を身につけさせるのか」を意識した授業になったとのことです。

■実践発表(算数) 土井 国春先生(徳島県東みよし町立昼間小学校)

身近な教材として使われている「計算ドリル」を改めて見直すことから、教科書を読み解くことの大切さに気づかされるお話をしていただきました。

「計算ドリル」の使い方を確認し、さらに仕組みを教科書と対比させながら見ていくと、教科書の問題を補完する教材として位置づけられる根拠がわかってきます。そのうえで、改めてどのように活用していくことが効果的なのかをお話いただきました。

土井先生のお話から、最初に行われた望月先生の模擬授業でのノート指導などの指導技術が必要な理由や、入江先生が発表された子どものつまずきを解決していく指導法などともつながる部分があることに気づかされ、教材を読み解き授業づくりをしていく大切さを教えていただきました。

■教材活用研修体験 磯崎 ひろみ(JEES事務局/教材活用支援員/教育情報化コーディネータ2級)

NPO法人JEESの研修事業のご紹介と、その研修の一部分を体験していただきました。現在、JEESにご依頼の多い「実物投影機活用研修」と「学校教材活用研修」のそれぞれの一部分だけの体験でしたが、望月先生の模擬授業で使われた授業技術や、土井先生の教材の読み解きにつながる研修だと理解していただきました。

■まとめのディスカッション

参加者に書いていただいたコメントペーパーからの質問等をもとに、それぞれの先生方にお話しいただきました。

土井先生からは、計算ドリルを活用することと、新学習指導要領でいう算数の「見方・考え方」との関係についてお話いただきました。計算ドリルは、「見方・考え方」で必要になる数量や図形などの関係に着目できるかどうかという基礎的学力を培うものであり、この学力を効率的・効果的に培うためにドリルは重要だということです。

望月先生からは、模擬授業への質問として多かった、「教科書の練習問題を指導する順番」について答えていただきました。子どもが理解しにくい部分を事前に見つけておき、その問題の型を意識し、時には問題の順番通りにするのではなく、子どもの実態に合わせて問題を選ぶこともあるそうです。また、校内で統一しているというノート指導のやり方についても詳しく説明していただきました。

入江先生からは、目標をつくるときに気を付けていることとして、子どもが理解しやすいように、子どもの行動に置き換えて具体的な目標にすることと、学年ごとで学ぶつながりを意識していることを話していただきました。

■参加された方々の感想
  • 新しい視点や、初めて知る工夫などがあり、ぜひ取り入れさせていただきたいです。
  • 日々の実践に活かせるものがたくさんあって、勉強になりました。また参加したいです。
  • 近くの方と話せる機会が多くあったので、情報整理がすすみました。内容がもりだくさんで、たくさん学べて満足です。
  • 若手だけでなく、若手を育てる先生方も学べる内容でよかったです。
  • 入江先生の発表から1つの授業づくりの型の重要性を知った。でも現実には、そこに向かわせる学級経営に難があるクラスがあるので、望月先生の話の重要性が増した。そして教科書をしっかり見て授業力が大切であると土井先生が価値付けられた。すばらしいセミナー構成の中、新保先生のコーディネート力もすばらしすぎました。