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ソーバル×JEES共催 プログラミング教育セミナーONLINE~民間と現場に学ぶ、プログラミング教育のカリキュラム・マネジメントと授業づくり~ を開催しました

NPO法人全国初等教育研究会(JEES)は、JEESの法人会員であるソーバル(株)との共催で、『プログラミング教育セミナーONLINE~民間と現場に学ぶ、プログラミング教育のカリキュラム・マネジメントと授業づくり~』を、2020年12月28日に開催いたしました。

小学校でプログラミング教育が必修となった2020年度ですが、コロナ禍の影響もあり、思うように実践できていないという先生方のお悩みをお聞きして開催したセミナーです。

プログラミング体験の時間や参加者同士の情報交換の時間もあり、和気あいあいと楽しめるセミナーとなりました。講師として、IT企業であるJEES法人会員、ソーバル(株)の村瀬真琴氏より企業からの視点を交えてお話しいただき、カリキュラム・マネジメントという視点から札幌市立稲穂小学校の校長である菅野光明先生にお話をお願いしました。

■ 未来はちょっぴり楽しい ~ワクワクする未来へ~

ソーバル(株)村瀬真琴氏より、「プログラミング的思考」が社会の中でどのように役立つのかというお話をしていただきました。プログラミングやプログラミング的思考について、運動会のプログラムをどういう視点から考えるかという学校現場における具体例をもとにわかりやすく説明していただきました。

プログラミング的思考は、まず、目的の達成やアウトプットに向けて、行動や課題を細かく分解して考えていくことが重要です。そこにひらめきがあれば、生活をよりよくし、充実したものにしていけます。日常のとても面倒な作業でも、細かく分解して整理してみると意外とシンプルなことがわかったり、抽象化することで共通点や本質が見えたりし、それが改善策や次の一手に繋がるというお話を聞いていると、これからの子どもたちがプログラミング的思考を活かして活躍する未来にワクワクしてくる気持ちになりました。村瀬氏の楽しい語り口もあり、プログラミング教育をやってみたいという気持ちにさせていただけるお話でした。

■ プログラミング教育のカリキュラム・マネジメント

札幌市立稲穂小学校の菅野光明校長より、一部の先生だけができる実践ではなく、すべての先生が実践できるプログラミング学習を目指し開発したカリキュラム・マネジメントについてお話しいただきました。

プログラミング学習のねらいを、低学年では「プログラミングの楽しさを味わう」、4年生・5年生では「プログラミングで意図した動きを実現する」、6年生では「プログラミングが実生活と繋がっていることを体験する」として位置づけます。1年生は生活科でPCを使う・絵を描くという活動を取り入れ、その他の学年もねらいに合わせて活動内容を考え、さらに学習内容を考え整理したことで、それらに合わせてプログラミングの教材も選びやすくなったそうです。

プログラミングを体験させる中で大切にしていることは、失敗の経験もさせること。どうして思うように絵を動かせないのか、そこを考えていくところが学びにつながるとのことでした。そのために、例えば4年生の「意図した動きを実現する」プログラミングに取り組むにあたり、基本的な知識を学ぶ時間を最初に10分ほど用意するなど、子どもの発達段階に合わせたカリキュラム作りがとても参考になりました。

また、プログラミング教育の学習活動の分類(A:学習指導要領に例示されている単元等で実施するもの/B:学習指導要領に例示されてはいないが、学習指導要領に示される各教科等の内容を指導する中で実施するもの/C:教育課程内で各教科等とは別に実施するもの/D:クラブ活動など、特定の児童を対象として、教育課程内で実施するもの)に位置付けて考えることで、授業だけではなく、土曜学習やクラブ活動なども利用して、柔軟に子どもが学習する時間をつくり、6年間で子どもを育てていくという視点が、無理なくプログラミング教育を続けていくためのポイントだと思いました。

■ プログラミング体験

再度ソーバル(株)村瀬真琴氏に登壇いただき、Scratchを使ったプログラミングを体験しました。

参加者には事前にお届けしていた資料を手元にご用意いただき、オンラインで村瀬氏がScratchの使い方を画面共有しながら説明し、参加者にも自分のパソコンで同じようにScratchを動かしてもらいました。実際に体験された先生方からは、「楽しくできた」、「安心して体験できた」という感想をいただきました。実際にプログラミングを体験することで、子どもたちがプログラミングで感じる楽しさを体感していただけたのではないかと思います。

■ 参加された方々の感想

・現場の姿が目に見えるような講話で、いちいち頷いていました。また、ワークショップもペース遅めでとてもリラックスして受けられ、今までのことを振り返りながら学べて、とても充実したセミナーでした。

・初めての参加でしたが、お話も分かりやすく、また具体例を伴っていたので非常に勉強になりました。ありがとうございました。

・子どもたちの未来のために今日のような民間と公教育のセッションは大事だと思いました。

・初心者に向けたわかりやすいお話で、とても参考になりました。プログラミング教育に取り組んでみたいです。

・暖かい感じのスムーズな進行だったので落ち着いて参加できました。

・わからないことをチャットで聞けて安心でした。

また、参加者の皆様からは、本セミナーでの学びを表すキーワードとして、以下のような言葉が挙げられていました。

「プログラミング的思考」「カリキュラム・マネジメント」「系統立てて指導すること」「6年間でねらい達成」「まずはやってみること」「これぐらいでいい」「内容をシンプルに」「普段の生活の中で生かせる力」「今後求められる姿」